フレッツ光の1ギガ高速回線のパフォーマンスを引き出す方法

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NTTのフレッツ光はNTTが運営する光回線の総称で、回線の規格は定期的に新しく置き替り、この十数年で少しずつ進化しています。

現在の最新規格はNTT東日本なら【フレッツ光ネクスト ギガ】、NTT西日本なら【フレッツ光ネクスト 隼】であり、どちらも下り速度が理論値で1Gbpsと公式アナウンスされています。

しかしこれはあくまで理論値なので現実に通信速度1Gbpsを実現するのは不可能です。

実は現状の最新規格のパフォーマンスを存分に引き出し、その恩恵を得るにはそれなりの準備が必要になります。

本稿ではフレッツ光の最新規格回線である1Gbpsクラスの回線のパフォーマンスを引き出し、その恩恵を得るための方法を解説します。

フレッツ光はエリアによって回線規格が異なる

現在、NTT東西が提供するフレッツ光は、最新規格がフレッツ光ネクスト ギガ(東日本)フレッツ光ネクスト 隼(西日本)です。

この2つの回線は通信速度が理論値で1Gbpsという高速通信が可能です。

全国で利用可能な全てのフレッツ光の回線がこの最新規格というわけではなく、大半は【フレッツ光ネクスト ハイスピード】という規格です。

エリアによっては【フレッツ光ネクスト】というさらに古い規格の場合もあります。

エリアによる古い回線規格は順次新しい規格に置き換わっていますが、どうしても人口密集地を優先して最新規格に置き換えるため、規格が古いエリアと新しいエリアが同時に存在する状況になってしまいます。

新しい規格でも古い規格でも利用料金は変わらず、フレッツ光の料金プランとして統一されます。

もし自身が利用しているエリアの規格が新しい規格に置き換わった場合、NTTに申し込めば無償で新しい規格回線に乗り換えが可能です。

NTTも出来るだけ新しい規格に乗り換えてもらった方が運営コストの低下につながるため新しい規格への乗り換えを推奨しています。

現在、フレッツ光が運用している光回線の種類と通信速度が以下になります。

フレッツ光の回線規格
回線規格 下り速度 上り速度
<フレッツ光ネクスト 100Mbps 100Mbps
フレッツ光ネクスト ハイスピード 200Mbps 100Mbps
フレッツ光ネクストギガ(東日本) 1Gbps 1Gbps
フレッツ光ネクスト隼(西日本) 1Gbps 1Gbps

もし現在、フレッツ光や光コラボレーションでNTT回線を利用している場合、自身が利用している回線規格を調べ、現状よりも新しい回線規格に乗り換えが可能ならば、出来る限り新しい回線のプランを利用できるようにすることをおすすめします。

新しい規格に乗り換えても料金は変わりません。

1Gbps回線のパフォーマンスを引き出すために、ルータも最新規格に

例えば利用している回線が【フレッツ光ネクスト ギガ】ならば無条件で1Gbpsに近い速度で高速通信が可能になるかというと、そういうわけではありません。

回線速度が1Gbpsとは、好条件が揃えば【最大】で1Gbpsまで速度を上げることが可能、ということです。

つまりニュアンス的には、キャパシティが1Gbpsまで対応している、と考えるべきです。

このため1Gbpsに近い高速通信を実現するには1Gbps回線パフォーマンスを引き出せるように回線以外の通信設備も整える必要があります。

無線通信のためには無線LANルーターが必要です。現状のルーターで、最新規格は【11ac】という規格です。

【11ac】の場合、受信アンテナ1本での利用で約867Mbpsの速度が出るということです。
これはあくまで理論値のため、実際はもう少し下がると考えるべきです。

11ac規格は受信のためのアンテナを最大8本まで併用が可能で、アンテナ8本なら6.93Gbpsの通信速度が可能ということになります。

2015年にアンテナを8本搭載した上位モデルの無線LANルーターがリリースされました。
この製品は5.3Gbpsの通信が可能であると開発元がアナウンスしています。

しかし無線LANルーターの電波を受信するLAN子機に8本もアンテナを搭載した製品は無く、ごく一般的なルーターやルーター子機はアンテナが2,3本です。
基本的に電波の送受信はアンテナの少ないほうに合わせることになります。

昨今のパソコンやタブレットPCは回線電波の受信アンテナを1~3本搭載しているタイプが主流です。
そのため11ac規格のルーター製品は、最大通信速度を867〜1300Mbpsくらいで表記している場合が多いです。

現在の最新規格、11acに対応したルーターならばフレッツ光の、通信速度1Gbpsのパフォーマンスをそれなりに発揮できると考えてOKでしょう。

しかし最新規格の11acはまだ先進の存在で、普及しているとは言い難い状況です。現在普及しているルーターの規格は11acより1世代前の【11n】です。

11n規格はアンテナ1本で150Mbpsの通信速度が可能です。
現実的な、アンテナ2、3本の運用ならば300〜400Mbpsの通信速度が可能と考えられます。
このため11n規格では1Gbpsの回線パフォーマンスを存分に引き出すのは難しいと考えるべきでしょう。

以上のことから、ルーターによる無線通信でフレッツ光の1Gbpsのパフォーマンスを引き出す場合、ルーターを最新規格である11acに対応した製品を設置することが求められます。

フレッツ光を契約してレンタルできる無線LANルーターはホームゲートウェイというタイプで、11acに対応しているタイプのためその点は問題ありません。

ちなみにKDDIのauひかりや光コラボレーションによる回線契約の場合はレンタルできるルーターが旧規格の11nの場合が多く、フレッツ光のレンタルルーターが最新の11ac対応という点はフレッツ光の大きなアドバンテージといえます。

LANケーブル、ルーター子機などの規格もチェック

ルーターが1Gbps回線のパフォーマンスを引き出せる規格かどうかが重要であるのと同様に、ルーターの電波を受信するルーター子機、有線接続の際に使うLANケーブル、などの規格も大切です。

例えば上記で解説したように、ルーターを最新規格の11acの製品を用意したとしても端末に取り付けるルーター子機の製品が11acに対応していなければ旧規格の11n規格で使うことになってしまいます(現在、普及しているルーター子機で11nより古い規格であることは稀です)

このため11ac規格のルーターを用意した場合、ルーター子機も11ac対応の製品を用意しないと意味がありません。

現在、普及している11ac対応のルーター子機は、アンテナを1〜3本搭載した製品が主流です。
当然アンテナが多いほど価格も上がります。

11ac対応のルーター子機はアンテナ1本の場合は速度が理論値で433Mbpsです。
同じくアンテナ2本なら約600Mbps、アンテナ3本なら約1300Mbpsとなります。

1Gbps回線のパフォーマンスを活かしたい場合は最低でもアンテナ2本搭載のルーター子機を用意したいところです。

ルーターの規格による速度は以下の表にまとめした。

ルーターの通信規格と通信速度
規格名 アンテナ1本の速度 アンテナ最大数の速度
11b 11Mbps 最大1本
11a 54Mbps 最大1本
11g 54Mbps 最大1本
11n(20MHz) 72Mbps 288Mbps(4)
11n(40MHz) 150Mbps 600Mbps(6)
11ac(80MHz) 433Mbps 3467Mbps(8)
11ac(160MHz) 866Mbps 6933Mbps(8)

11n以降のアンテナ最大数の速度の()内の数字がアンテナの最大数です。

表からもわかるように11n以降から複数のアンテナに対応するようになり、複数のアンテナの併用で通信速度が飛躍的に向上するようになりました。

現在の11ac規格のルーターやルーター子機で多くの製品はアンテナが2、3本の仕様です。
上記で解説したように11ac規格でアンテナ2本なら約600Mbps、アンテナ3本なら約1300Mbpsとなります。
アンテナを8本搭載した高速無線 LANルーターも製品化されていますが非常に高額です。

ルーターによる無線接続ではなく、LANケーブルによる有線接続の場合、LANケーブルにも規格があり、規格によって通信速度が決まります。

現在普及しているLANケーブルの規格と対応している通信速度を以下の表にまとめました。

LANケーブルの規格
規格の種類 通信速度
CAT5 100Mbps
CAT5e 1Gbps
CAT6 1Gbps
CAT7 10Gbps

上記の表でわかるようにLANケーブルが旧規格のCAT5の場合、100Mbpsにしか対応しておらず、1Gbps回線のパフォーマンスは引き出せません。CAT5e以上の規格であれば1Gbps回線に対応できます。

さらにLANケーブルによる有線接続の場合、LANケーブルを端末に接続するためのLANポートにも規格があり、LANポートの規格が古いとやはり高速通信には対応していません。

LANポートの規格と対応通信速度は以下になります。

LANポートの企画
規格 対応通信速度
10BASE-T 10Mbps
100BASE-TX 100Mbps
1000BASE-T 1Gbps
10GBASE-TX 10Gbps

上記の表からもわかるように、LANケーブルによる有線接続の場合、LANケーブルとLANポートの両方を対応速度が1Gbps以上の規格にしないと1Gbps回線のパフォーマンスを活かせません。

LANケーブルは安価なため最新規格のケーブルを用意するのはさほど難しいことではありません。

LANポートはパソコンに内蔵されているため、規格が古い場合、取り替えるのは結構手間がかかります。

その場合はUSB接続に対応した外付けLANポートを用意するのが簡単です。

プロバイダによる回線混雑

フレッツ光の場合、プロバイダは契約者が選んで契約する形になります。

つまりフレッツ光はNTTと回線契約して、別途でプロバイダ業者とも契約するという2つの契約が必要です。

フレッツ光は光回線の老舗ということもあり、選択可能なプロバイダは多岐にわたります。

インターネット回線はプロバイダを経由して接続しているため、プロバイダ事業者の回線設備が古かったり、利用者が多かったりすると回線が遅くなる原因となります。

名の通ったプロバイダなら回線設備が極端に悪いということは考え辛いです。
しかし利用者が多くて回線が混雑し、回線が遅くなるということは昨今のインターネット事情ではよくあることです。

プロバイダ事業者は加入者を増やすために料金設定を安くしたり、高額なキャッシュバックを用意したりしますが、結果として加入者が短期間に急増し、設備のキャパシティを超え、回線が過剰に混雑してしまう可能性があります。

良心的なプロバイダなら常に利用者の数に合わせ、常に快適に通信できる環境を整えるように心がけて運営します。

フレッツ光は数ある光回線事業者の中でもプロバイダの選択肢が多いという特徴があります。

プロバイダの要因によって回線速度の低下を防ぐため、プロバイダは慎重に選ぶということも1Gbpsの高速回線のパフォーマンスを活かすための知恵です。

まとめ

現在、フレッツ光の最新回線規格は理論値で1Gbpsという高速通信を実現しています。
しかしこの高速通信はあくまで回線網の話です。

回線を自宅に引き入れた場合、回線からパソコンなどの端末までの間を取り持つ通信設備がそのパフォーマンスを活かせないと宝の持ち腐れになってしまいます。

例えばルーターを使った無線通信の場合、ルーターと、端末に電波を受信するルーター子機の規格が高速通信に対応していないと旧規格の速度の準拠することになってしまいます。

同じくLANケーブルよる有線接続の場合、LANケーブルとLANポートの規格が古いとその旧規格に準拠となります。

フレッツ光の場合、レンタルできるLANルーターが1Gbpsの高速通信に対応した最新規格の製品のため、高速通信のための設備の準備は比較的容易です。

利用するプロバイダによっては混雑が常態化して、高速通信の足枷になってしまう場合もあります。

1Gbpsの高速通信の恩恵をできる限り活かしたい場合はプロバイダ選びも大切です。

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