2015年2月1日から始まった『光コラボレーション(光コラボ)』。
MM総研の調査によりますと、光コラボ全体の総契約数は約692万件と、フレッツ光の総契約数約1279万件(NTT東日本とNTT西日本における合計契約数)と比べると半分ほどとなっています。
参考:MM総研「2016年9月末時点の光回線サービス事業者の動向」
そもそも光コラボレーションとは何なのでしょうか。また、フレッツ光との違いはどこにあるのでしょうか。
光コラボレーションに乗り換える方が良いのかについて解説してまいります。
光コラボレーションとは
光コラボレーションとは、事業者がフレッツ光とコラボレーションして提供する光回線サービスのことです。
つまり、事業者自体が光回線を新規に開発するのではなく、既存のNTT東西の光回線を利用して、プロバイダーやその他の付加サービスをセットにした独自のインターネット回線サービスを提供するのです。
このような光回線とプロバイダー、ひかり電話などのオプションサービスを一括で提供する事業者を『光コラボレーション事業者』や『光コラボ回線事業者』と呼びます。
フレッツ光+プロバイダーと契約する場合 | 光コラボレーションと契約する場合 | ||
---|---|---|---|
光回線 | 提供元 | NTT(フレッツ光) | NTT(フレッツ光) |
契約方法 | NTTと直接契約 | 光コラボ業者を介して契約 | |
プロバイダー | 提供元 | プロバイダー業者 | 光コラボ業者もしくは他のプロバイダー業者 |
契約方法 | プロバイダー業者と直接契約 | ・光コラボの自社プロバイダーの場合は直接契約 ・他のプロバイダー業者の場合は光コラボ業者を介して契約 |
|
契約先(料金支払先) | NTTとプロバイダー業者の2社 | 光コラボレーション業者のみ |
光コラボはなぜ生まれたのか?
インターネット回線サービスと言えば、やはり元祖でもあるNTT東西のフレッツ光ですよね。
当然、フレッツ光の光回線サービスはシェアが高いのですが、契約数は頭打ち状態で、これ以上シェアを増やすことは難しいとされてきました。
そこで始まったのが光回線の卸売り事業、つまり光コラボレーション事業です。
光コラボレーションを開始することで、NTT東西も光コラボレーションに参加したい事業者も双方に次のようなメリットが生まれます。
<サービス提供事業者が得られるメリット>
NTT東西 | 光コラボレーション事業者 | |
---|---|---|
メリット | ・フレッツ光の利用者をさらに増やすことができる。 ・フレッツ光の宣伝を行わなくても利用者増を見込める。 |
・自社の光回線がなくても、光回線事業に参加できる。 ・場合によってはプロバイダーサービスを持たなくても事業に参加できる。 ・利用者から信用を得やすい。 |
光コラボを利用するメリット
NTTにとっても光コラボ業者にとっても嬉しいメリットがたくさんある光コラボレーション。
利用者にとっては、どのようなメリットがあるのでしょうか。
フレッツ光の回線を利用するから安心
回線業者の名前をほとんど知らない人でも、元・国営企業でもあるNTTなら知っているのではないでしょうか。
光コラボレーションで利用する回線はNTTが提供するフレッツ光回線ですので、インターネット回線に対してあまり詳しくない人でも安心して利用できるでしょう。
契約するプランにもよりますが、上りも下りも最大1Gbpsの回線速度を期待できる点も嬉しいですね。
フレッツ光から転用する場合は工事費不要
フレッツ光の利用者が、光コラボレーションに乗り換えることを転用と言います。
転用する場合は、フレッツ光回線をそのまま利用することになりますので、開通工事が不要となり、工事費用も請求されません。
ただし、フレッツ光で利用していたプランから変更する場合やフレッツ光で利用していたプランが光コラボ業者では利用できないときは、回線工事が必要になることもありますのでご注意くださいね。
転用なら、フレッツ光への解約金も不要
また、転用する場合は、フレッツ光への解約金も不要になります。
初期費用や月額利用料金の支払先が1つだけ
契約時や利用時にさまざまな費用がかかったとしても、いずれもまとめて光コラボ業者に支払いますので支払先は1つだけです!
支払先が少ないと、家計把握が簡単になりますよね。
利用料金が安くなることも多い
光回線とプロバイダーを別々に支払うことと比べると、毎月の基本料金も低く抑えられるケースが多いです。
節約したい人は、しっかりと各社の料金をチェックして下さいね。
セット割などのプランを利用できることもある
光コラボレーション業者によっては、携帯電話やスマホとのセット割引サービスを利用できることもあります。
光コラボ業者はたくさんありますので、お使いの携帯キャリアとのセット契約が可能かどうかで選ぶのもアリですね。
スマホ割を利用することで、スマホ1台につき最大~2,000円も携帯料金から割引を受けることができます。
携帯料金が高くて困っている方はこの機会にまとめて安くするのも賢い選択肢でしょう。
ひかり電話の電話番号をそのまま利用できる
NTTのひかり電話やフレッツ光の光電話を利用している場合、新しく契約する光コラボでもひかり電話番号をそのまま利用することができます。
光コラボを利用するデメリット
人によっては、光コラボレーションを利用することでデメリットが発生することもあります。
解約金や違約金が発生することもある
フレッツ光からの転用の場合、NTTには解約金を支払う必要はありません。
ですが、プロバイダー業者からは解約金や違約金を請求されることがあります。
転用する前に、プロバイダー業者に解約金・違約金について問い合わせておきましょうね。
また、利用しているオプションサービスによっては、解除料金や撤去工事費などを請求される可能性もあります。
オプションサービスごとの契約も確認しておきましょう。
新規契約時に回線工事が必要になることもある
プラン変更時や引っ越しをした場合を除けば、フレッツ光からの転用の場合は、基本的に回線工事は不要となります。
しかし、auひかりや他の光コラボ業者から乗り換える場合や新規に光回線に契約する場合は回線工事が必要となりますので、工事料金が請求されます。
工事費が気になる人は、新規契約者を対象とした工事料金実質無料サービスなどを実施している業者をチェックしてみるのもおすすめです。
転用時の手続き
auひかりや他のコラボ業者から乗り換えるときは、現在契約している業者を解約して、新しい光コラボ業者と契約するだけのわずか2ステップで申し込み手続きは完了します。
フレッツ光からの転用となると、手続きは次の3つのステップが必要となります。
1. NTTに電話もしくはネットで転用承諾番号を請求する。
2. 光コラボ業者に契約を申し込む。
3. 現在加入しているプロバイダー業者を解約する。
フレッツ光と光コラボの違い【まとめ】
光コラボレーションは料金の安さを強調していることが多いのですが、利用するプロバイダーによってはフレッツ光との契約の方が安くなることもあります。
また、通信速度も、通信状況や時間帯、エリアによっても異なるため、一概にどちらが速いとは言えません。
安心感を求めるならフレッツ光を選ぶことができますし、料金1本化を希望するなら光コラボレーションを選ぶことができるでしょう。
また、現在利用している携帯電話やスマホとのセット割を希望するなら、携帯キャリアと提携しているインターネット接続サービスを選ぶことも良いですね。
各自が重視するポイントでインターネット回線を選んでいきましょう。
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2015年1月からサクッと光をスタートし運営6年目に突入。インターネット回線に関する専門記事は300を超える。その中でユーザーが抱えるインターネット回線の疑問や選ぶポイントを、中立的な立場からわかりやすくお伝えしています。光回線の元販売員が率いる専門チーム3名で構成されたサクッと光編集部がお届けします。 |